皆様こんにちは、IVANKA青山店の高瀬です。
今回は、美容室で受ける「トリートメント」の進化について、少し振り返ってみたいと思います。
ソバージュとカラーブームが変えたヘアケアの常識

私が美容業界に入った頃、美容室のサロンメニューは、セットやパーマが中心で、いわゆる「ヘアケア」への意識は今ほど高くありませんでした。
仕上げにはカーラーで巻き上げるセットスタイルが主流で、髪をダメージから守るためのメニューはまだごく一部のお客様向けに限られていたのです。
その後、1980年代後半から1990年代にかけて、ムースを使って自然乾燥を活かしたソバージュスタイルが流行するとともに、パーマによる髪のダメージを気にする方が少しずつ増えてきました。
さらに、1990年代中頃のカラーブームによって、髪を明るく染める文化が急速に広がります。安室奈美恵さんをはじめとするアーティストたちの影響で、若い女性たちの間ではカラーリングが日常的なものとなりました。
集中トリートメントの登場と、サロンメニューの進化

このカラーブーム以降、髪の傷みが深刻化し、多くの美容室でもヘアケアへの意識が一気に高まりました。
各サロンでは、ヘアエステや集中トリートメントといった、ダメージに対応する本格的なサロンメニューが次々と導入されるようになりました。
当時のトリートメントは、髪の表面をコーティングして手触りを一時的に良くするものが中心でしたが、それでも「傷んだ髪を守る」という意識の芽生えは、ヘアケア文化にとって大きな一歩だったと思います。
そして近年、美容室のヘアケアメニューはさらに進化を遂げています。
「髪質改善」という言葉に代表されるように、単なる髪をダメージから守るというメニューから、髪質そのもののクオリティを高めるというトリートメントメニューにシフトチェンジされてきたように思います。
なぜ今、美容室トリートメントが選ばれているのか?

こうした進化の背景には、お客様自身の「髪を大切にしたい」という意識の高まりもあるでしょう。
特に、年齢を重ねるにつれて感じる髪の変化(パサつき、ハリコシの低下、うねりなど)に対し、美容室での集中ケアを取り入れる方が増えているのも印象的です。
いずれにしましても、美容室でのトリートメントは贅沢感のあるご自分の美活として、リラクゼーションもできる大切なご褒美イベントとして、今では多くのお客様がご利用されています。
ただ、髪の美しさを長く保ち、施術の効果をより引き出すためには、日々のホームケアとの両立が欠かせません。
トリートメントの持続力を高め、健康な髪を土台から育てるのは、やはり毎日の積み重ねなのです。
美容室でのトリートメントは、頑張る自分へのご褒美であり、髪の未来への先行投資。
一方、ホームケアは、その未来をしっかりと育て、支えていく毎日の習慣です。
この両方がうまく組み合わさったとき、髪は年齢を重ねても、しなやかで輝きのある美しさを保つことができるのだと、私は確信しています。
次回は、髪のケアを語るうえで欠かせない「ホームケアの歴史」について、少し掘り下げてみたいと思います。
どうぞお楽しみに。