「睡眠=美髪ケア」そのメカニズムとは?
美しい髪を育てるために、皆さんはどんなケアをしていますか? 高品質なシャンプーやトリートメント、ヘアオイルなどを使うのも大切ですが、実は「眠っている時間」こそが髪の美しさを左右する最大のカギなのです。
髪は、毛根で活発に細胞分裂が行われて成長し続けていますが、皮膚の表面に出た部分(毛幹)はすでに細胞としての活動を終えた「死んだ細胞」で構成されています。そのため、血管や神経が通っておらず、切っても痛みを感じません。しかし、髪の成長を支える毛根の健康を保つことが、美しい髪を育てる鍵となります。その成長を支えているのが「睡眠中のホルモン分泌」や「血流」です。
では、なぜ睡眠が髪に影響を与えるのか、科学的な視点から詳しく解説していきます。
睡眠が髪に与える3つの影響

成長ホルモンの分泌で髪が育つ
私たちの体は、睡眠中に成長ホルモンを分泌します。成長ホルモンは、髪の細胞の修復や再生を促し、新しい髪が健康に育つのを助ける役割を担っています。
以前は「ゴールデンタイム」と呼ばれる22時〜2時の間に成長ホルモンの分泌が増えるとされていましたが、最新の研究では、成長ホルモンは入眠後の最初の深いノンレム睡眠時(寝始めの3時間以内)に最も多く分泌されることが分かっています。つまり、22時〜2時に限らず、自身の睡眠リズムに合わせて深く眠ることが重要なのです。
血流促進で毛根に栄養が届く
髪に必要な栄養は、血液によって毛根に運ばれます。睡眠中は体がリラックスし、副交感神経が優位になることで血流が良くなり、毛根へ十分な栄養が行き渡ります。
しかし、睡眠の質が悪かったり、低血圧や睡眠時無呼吸症候群がある場合は、血流が十分に行き渡らず、髪の栄養供給が不足することも。健康的な生活習慣を意識することで、より良い血流を保ち、美髪を育むことができます。
自律神経のバランスを整え、抜け毛を防ぐ
睡眠不足が続くと、ストレスが蓄積され、自律神経のバランスが乱れます。これが抜け毛や薄毛の原因になることも。質の良い睡眠をとることで、ストレスを軽減し、健康な髪を保つことができます。
美髪を育むための快眠習慣

髪のために意識したい睡眠習慣を紹介します。
寝る前にリラックスする
心身をリラックスさせることで、質の良い睡眠がとれるようになります。
- ハーブティーを飲む(カモミール、ラベンダーなど)
- 寝る1時間前にはスマホやPCの使用を控える
- ぬるめのお風呂(38〜40℃)にゆっくり浸かる
食事は就寝2〜3時間前までに済ませる
寝る直前に食事をすると、消化活動が活発になり、睡眠の質が低下します。特に脂っこいものやカフェインを含む飲み物は避け、トリプトファンを含む食材(バナナ、乳製品、大豆製品)を取り入れると、快眠をサポートしてくれます。
寝具や寝室環境を整える
- 寝室の温度と湿度を調整(18〜22℃、湿度50〜60%)
- 枕の高さは自分に合ったものを選ぶ(高すぎると血流が滞る)
- 適度な暗さと静かさを保つ
本日のまとめ 〜「良い眠り」が美髪をつくる〜

美しい髪を育てるためには、質の良い睡眠が不可欠です。睡眠中に分泌される成長ホルモンや血流の改善が、健康な髪の成長を促し、抜け毛を防ぎます。
今夜から始められる、美髪を育むための快眠習慣を取り入れてみませんか?しっかりと休息をとることで、髪だけでなく、心と体も健康になり、毎日をより美しく過ごせるはずです。